VOICES
演奏家
ストラディヴァリウス1717年製ヴァイオリン「サセルノ」
ストラディヴァリウス1717年製ヴァイオリン「サセルノ」 ヴィヴィアン・ハグナーに聞く
「サセルノ」との出会いは1999年、日本音楽財団から貸与を受けました。100年以上誰にも弾かれていませんでしたが、300年前に作られたとは思えないほど美しく、本当に良い状態でした。音色がどんどん変わっていったのは最初の半年間、後はじっくりと慣れるように音を出していきました。
「サセルノ」は非常に強い個性を持っています。音色がとても豊かで、弾き手としても教わることが多く、自分の表現が助けられていると感じます。また倍音が本当に芳醇で響きとボリュームがありますから、どんなに大きなホールでも隅々まできれいに響いてくれるのです。
グァルネリも以前使っていましたが、それに比べてストラディヴァリはあまり圧力をかけて弾いてはいけないと思います。確かにグァルネリは丈夫な感じがします。でもストラディヴァリはより繊細なので、響きをうまく立たせるためには本当に丁寧に扱うことが大切です。
(「サラサーテ」インタビュー 2006月5月号より抜粋)
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