VOICES
演奏家
ストラディヴァリウス1708年製ヴァイオリン「ハギンス」
ストラディヴァリウス1708年製ヴァイオリン「ハギンス」
セルゲイ・ハチャトゥリアンに聞く
2005年のエリザベート王妃国際コンクール優勝の褒章として、日本音楽財団からストラディヴァリ「ハギンス」を貸与されているセルゲイ・ハチャトゥリアン。
「ハギンス」との初対面は、エリザベート・コンクールのガラコンサートだったが、その瞬間から難なく弾きこなせた。「楽器にも相性があり、合わないものもあるが、性格的にも素晴らしい」と、惚れ込む。「芸術家として楽器から学ぶことも多いが、この楽器を貸与されて人間的にも成長していると思う」とまで言うのだから。さらに「こんな銘器から音色を引き出し、学べて幸せ」とも。その音色の引き出し方は、「耳で」だという。「ストラディバリは個性が強く、弾き手にコントロールされるのを嫌います。こんな音を、といったら反発されるので、うまく楽器から引き出していくことが必要。だからこそ相性が大切です。
この楽器との相性が良いと思うのは、弾いていくうちにいろいろな響きが自然に出てくるからです。」
(弦楽器雑誌「サラサーテ」インタビュー 2006年8月号より抜粋)
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