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Guarneri del Gesu

グァルネリ・デル・ジェス1740年製ヴァイオリン

イザイ

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来歴

このヴァイオリンはウジェーヌ・イザイ(1858-1931)が所有し、長年演奏活動に使用していたことからこの名前が付けられた。楽器の中に貼られた小さなラベルには、赤いインクで「このデル・ジェスは私の生涯を通じて忠実なパートナーだった。イザイ1928」とフランス語で書かれている。この楽器はイザイの国葬の際にはクッションに載せられ、棺の前を行進したことでも知られている。イザイが所有する以前は、バルデスキ伯爵、英国の収集家ジョン・アダム氏、アントワープの収集家でアマチュア奏者のチャールズ・ウィルモット氏が所有していた。ウィルモット氏は楽器商ガン&ベルナルデルの依頼によって、1889年パリでこのヴァイオリンをキャリー・メス嬢の父親に売り渡した。イザイの弟子であった彼女はイザイの弟テオと結婚し、1896年、このヴァイオリンは義理の兄となったウジェーヌ・イザイの手に渡った。1929年にイザイが結婚した元弟子のジャネット・ディンシンに相続され、後に、指揮者シャルル・ミュンシュ(1891-1968)に売り渡された。イザイはこのヴァイオリンをベルギーに置いておきたいと希望していたが、ニューヨークの楽器商エミール・ハーマンからヘンリー・ホッティンガー氏に売却された。1965年に著名なヴァイオリン奏者アイザック・スターン(1920-2001)の手に渡り、多くの演奏会で愛用された。日本音楽財団は1998年3月にアイザック・スターンからこのヴァイオリンを購入した。

特徴

裏板はカエデの一枚板で、右下に向かって傾斜した力強い小幅の杢目が見られる。横板の杢目の幅は様々であるが、主に中程度の幅である。スクロールの杢目も同様である。表板はスプルースの二枚板で、中心の木目は細く、両端に行くほど幅広である。下地のニスは金色で、その上にオレンジと赤の中間色が広がっている。まだら模様のひびが見事に裏板のニスに入っており、この楽器の際立つ特徴とも言える。

証明書

グァルネリ・デル・ジェス1740年製ヴァイオリン「イザイ」

1965年10月6日付 Rembert Wurlitzer Inc., Isaac Setern宛て
1958年4月1日付 Emil Harmann, Charles Munch宛て (コピー)
1938年7月29日付 Albert Caressa, Charles Munch宛て
1937年11月8日付 Albert Caressa, Charles Munch夫人宛て

参考資料等

グァルネリ・デル・ジェス1740年製ヴァイオリン「イザイ」

1998年3月11日付 Andrew Hill, 日本音楽財団宛てレポート
1965年12月29日付 Issac Stern, Jacques Francais宛て書簡(コピー)
1965年10月14日付 Jacques Francais, Issac Stern宛て書簡(コピー)
1936年1月23日・24日付 Albert Caressa, 楽器特徴、来歴書簡

“Violin Iconography of Antonio Stradivari: 1644-1737” by H. K. Goodkind (P660)
“The Violin Masterpieces of Guarneri del Gesu” by Peter Biddulph 1994年出版(P48-49)
“The Henry Hottinger Collection” by Rembert Wurlitzer Incorporated
“The Violin Maker of the Guarneri Family (1626-1762)” by W. E. Hill & Sons (P87-88, P100-103)

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