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Guarneri del Gesu

グァルネリ・デル・ジェス1736年製ヴァイオリン

ムンツ

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来歴

このヴァイオリンはアントニオ・ストラディヴァリと並び称される名工バルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ(グァルネリ・デル・ジェス)(1698-1744)が製作した。英国バーミンガムのアマチュア奏者で収集家のムンツ氏がかつて所有していたことから、この名前で呼ばれている。彼はパリのガン&ベルナルデルからこの楽器を購入した。彼の死後、娘がこのヴァイオリンを受け継ぎ、彼女もこのヴァイオリンを演奏していたが、1911年にロンドンのW.E.ヒル&サンズに売却した。この楽器は同楽器商から、1913年にボヌマン氏へ、1931年にアマチュア奏者のアルフレッドC.マーシャル氏へ売却された。彼の死後、1934年にW.E.ヒル&サンズからラヴェンズデイル男爵夫人がこの楽器を入手し、米国のヴァイオリン奏者ギラ・ブスタボ(1916-2002)が演奏していた。1970年、彼女がW.E.ヒル&サンズに売却の相談をしたところ、同楽器商は、アムステルダムの楽器商マックス・メラーがちょうどこのような楽器を至急必要としていたことから彼を紹介し、同年、この楽器はノース・カロライナ州のジョルジオ・チオンピ氏の手に渡った。このことから、この楽器は「旧ムンツ」、「旧A.C.マーシャル-ムンツ」、「旧チオンピ」とも呼ばれていた。日本音楽財団は1995年3月にチオンピ氏からこのヴァイオリンを購入した。

特徴

裏板はカエデの一枚板で、右下に向かって傾斜した幅広の杢目が薄らと見られる。横板にはより力強い小幅の杢目が見られ、これに比べて、スクロールの杢目はより簡素である。表板はスプルースで、木目は場所によって小幅または中程度の幅と様々である。下地のニスは金色で、その上にオレンジと茶の中間色が広がっている。

証明書

グァルネリ・デル・ジェス1736年製ヴァイオリン 「ムンツ」

1981年12月16日付 Jacques Francais, Georgio Ciompi宛て
1970年7月31日付 Hammer & Co. Stuttgart
1970年6月10日付 Max Möller & Zoon

参考資料等

グァルネリ・デル・ジェス1736年製ヴァイオリン 「ムンツ」

1995年4月7日付 Andrew Hill, 日本音楽財団宛てレポート
1970年10月23日付 W. E. Hill & Sons, Möller宛て来歴手紙
1937年6月22日付 W. E. Hill & Sons, Ravensdale男爵夫人宛て来歴手紙

"Guarneri Family" by W. E. Hill (P101)

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