保有楽器一覧

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Stradivarius

ストラディヴァリウス1716年製ヴァイオリン

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来歴

このヴァイオリンは、英国のブース夫人が所有していたことから名付けられた。ブース夫人は、自身の子供たちのためにストラディヴァリの楽器でクァルテットを形成するため、1855年から1856年頃にパリの楽器商ジャン・バティスト・ヴィヨームからこの楽器を購入した。このヴァイオリンはオットー・ブース氏によって1885年にサウス・ケンジントンにて催された楽器展に出品され、その際に展示担当をしたW.E.ヒル&サンズを通して、1889年にロンドンの楽器商ジョージ・ハートに売却された。1890年頃、このヴァイオリンは米国に持ち込まれ、有名な収集家のヘンリー・オズボーン・ハヴァマイヤー氏の所有となった。1930年、W.E.ヒル&サンズからニューヨークのA.E.ラッセル氏に売却され、翌年の1931年には、ルドルフ・ウーリッツァー社から著名な米国のヴァイオリン奏者ミッシャ・ミシャコフ(1896-1981)に売却された。1961年、ニューヨークのヘンリー・ホッティンガー氏のコレクションの一部となり、1965年にルンベルト・ウーリッツァー社に売却された。J&Aベアーを通して、香港のチョー・ミン・シン氏の手に渡り、1989年には英国のヴァイオリン奏者で指揮者のアイオナ・ブラウン(1941-2004)の元に渡り、世界各国の数多くの演奏会で使用された。日本音楽財団は1999年1月にこの楽器を購入した。

特徴

裏板はカエデの二枚板で、板の継ぎ目からやや下に向かって傾斜した美しい杢目が見られる。横板には力強く細い杢目が見られる。スクロールには裏板と同様の杢目が見られる。表板はスプルースの二枚板で、木目は中程度の幅である。ニスはオレンジと赤の中間色である。

証明書

ストラディヴァリウス1715年製ヴァイオリン「ブース」

1999年2月23日付 John & Arthur Beare, 日本音楽財団宛て
1931年5月5日付 The Rudolph Wurlitzer Co., Mischa Mischakoff宛て
1930年9月29日付 W. E. Hill & Sons, A. E. Russell宛て

参考資料等

ストラディヴァリウス1715年製ヴァイオリン「ブース」

1999年3月8日付 John & Arthur Beare, 日本音楽財団宛て来歴書簡
1998年10月7日付 Andrew Hill, 日本音楽財団宛てレポート
1930年10月6日付 William E. Hill & Sons, A. E. Russell宛て来歴書簡

“Violin Iconography of Antonio Stradivari: 1644-1737” by H. K. Goodkind

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